「あら～、久しぶりじゃない」

T様はロビーでお客様の顔を見ると、表情を輝かせておっしゃいました。

お客様が帰られた後、T様から詳しく伺ったのですが、いらっしゃった方は、長い間一緒に働いた同僚の方だったそうです。

コロナウイルスの影響もあり、しばらくT様に会いに来るのを控えていらっしゃったそうですが、久しぶりに顔だけでも見たいと思って、立ち寄ってくださったとのこと。

現在、面会時間に制限を設けさせていただいているため、「まだまだ話し足りなかったわよ」とおっしゃるT様。

以前の職場で一番の仲良しだったという方とずいぶん久しぶりにお会いしたわけですから、それも当然ですよね。

「あの人はまだ現役で仕事しているのよ。すごいわよねえ。仕事だけじゃなくて、趣味もたくさんあってね、そうだ、これプレゼントにもらったの」

と言って見せてくださったのはこちら、折り紙のバラです。

「それとね、こっちは前にもらった紙のブローチ。これもあの人の手作りなの」

「紙で出来ているようには見えないでしょ。たまにこれをつけていると、あら、Tさん、それ素敵じゃないって言われるの。それで、これ紙で出来ているのよって言うと、みんな驚くのよね」

確かに、とても紙で出来たブローチには見えません。

「今もバリバリ仕事しているし、最近は電車やバスにはあまり乗りたくないからって、いつも自転車に乗ってるんだって。元気よねえ」

私にはそうおっしゃるT様もいつもよりお元気に見えました。

やはり久しぶりに会ったご友人からパワーをもらったのでしょうか。

「なんだかいろいろ思い出しちゃって、懐かしかったなあ。また今年中にもう一度来るって言ってくれたから、それを楽しみにしています」

人に力を与えてくれるものは、いろいろあると思います。

ですが、人に一番力を与えてくれるのは、間違いなく「人」なのではないでしょうか。

T様のはつらつとしたご様子を見ていて、そんなことを思ったのでした。

本日は、サービススタッフの鈴木がお送りいたしました。

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