Service Policy最良のケアを目指して

01居室内の移動をよりスムーズに、
より安全に

最良のケアを目指して

歩行が困難な高齢者の居室内移乗・移動を変えた
壁収納型介護リフト
「Swing Lift CoCoRo(スウィング リフト ココロ)」

2019.09

日本では普及していなかった介護リフトを、
すべての「グッドタイム リビング」に導入

グッドタイム リビングには、さまざまなお身体の状態のゲスト(ご入居者)が暮らしています。特に歩行が困難な方にとって、主な移動手段は車いすで"ベッドから車いす"あるいは"車いすからベッド"に移る移乗は、自分一人では行えません。トイレや洗面など、些細な移動であっても介助が必要になります。生活を営むうえで1日に何回も必要となる移乗介助は、介助される側にとって心理的な負担となっているようです。

1日に何回も必要となる移乗介助ですが、人の手による介助では、前かがみや中腰姿勢など無理な姿勢をとるため、介助者の身体的負担は少なくありません。腰を痛める恐れもあります。力任せに持ち上げても、高齢者に不安や苦痛を与えるばかりか、転倒の危険性が高く、大きなケガに誘引する危険性もあります。お身体の状態に応じて移乗介助の方法も変わるため、お一人おひとりに合わせるという注意も必要です。また、安全・丁寧に移乗介助をしても、人に抱きかかえられることでお身体が緊張し、移乗後もお身体がこわばったままになる"拘縮"を引き起こす高齢者もいらっしゃいます。

こうした移乗をサポートする福祉用具として使用されているのが、介護リフトです。介護リフトを利用することで、介助の際の身体的負担を軽減することができ、さらに、移乗時にも高齢者と対面で、表情を確認しながら会話を交わすこともでき、お互いにより安心感が生まれます。また、人に抱きかかえられた際の、無理な体勢をとることがなくなるため、拘縮を予防することにもつながります。

北欧の先進国などでは当たり前のように導入・活用されている介護リフトですが、日本の介護現場では、あまり導入されていませんでした。その大きな理由に「介護は人の手で行うべき」という、日本独特の古い慣習や考え方があります。実際に、グッドタイム リビングでも「ゲスト をまるで荷物のように扱うようで、失礼だ」というケアアテンダント(介護士)の声が多かったのです。

しかし介護リフトには、介助者のためだけでなく、高齢者の拘縮を予防する役割もあるということをケアアテンダント一人ひとりに説明し、2013年12月には、すべてのグッドタイム リビングに床走行型の介護リフトを導入しました。当時、国内の高齢者施設での介護リフトの普及率は、わずか8.2%(独立行政法人産業技術総合研究所2013年「ロボット介護機器開発・導入促進事業全体概要」より)。それだけ思いきった英断だったということが、おわかりいただけることでしょう。

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床走行型介護リフトを補う、
新しいリフトの開発へ

すべてのグッドタイム リビングに床走行型の介護リフトを導入したことで、ゲストとケアアテンダントの身体的、精神的負担も大きく軽減されることになりました。しかし、そうした効果を得られた一方で、新たな課題も見つかります。

床走行型介護リフトを使って移乗介助を行う場合、まずは介護リフトを保管場所まで取りに行き、ゲストのお部屋まで運んで来るという時間と手間がかかります。さらに、リフトの使用にはある程度の広さの床面が必要になるため、床に何かものが置いてあれば、事前に片付けておかなければなりません。また、介護リフトの台数は限りがあるため、先に他のゲストが使用していたら、使い終わるまで待つ必要がありました。特にゲストの方は、移乗をお願いしたくてもスタッフに遠慮し、我慢したりタイミングを見計らったりすることが多いため、いざというときのこうしたわずかなタイムロスが、大きな精神的・身体的負担になります。ベッドからトイレなどのように距離の短い室内での移動でも、結局は一旦車いすに移乗して移動しなければならないため、この移乗介助の回数をもっと削減できないかという介護現場の声もありました。

こうした時間と手間によるロスを減らすにはどうしたら良いかを考え、国内大手リフトメーカーである「株式会社モリトー」と新しい介護リフトを共同開発することになりました。リフトに関するモリトーの技術力と、グッドタイム リビングが培った介護の現場での経験やノウハウをお互いに提供し合うことで、お互いに今まで思いつかなかった新たな移乗手段を生み出し、従来の床走行型の介護リフトと併用して活用できないかと考えたのです。

高齢者の住まいを
開発から手がけていることで生まれた、
壁収納型介護リフト

最初に提案されたのが、部屋の中の壁面(戸境壁)に介護リフトを収納するというアイデアでした。最初から部屋にあれば、リフトを取りに行く時間が不要になるという発想です。しかし、壁収納型という着眼点は良いものの、それでは移乗介助の回数は変わりません。

壁収納型という発想をさらに発展させたのが、部屋の中央に介護リフトを配置するというアイデアでした。中央からアームを伸ばせば、ベッドもトイレも洗面台も、アームの回転を利用して、リフトに乗ったまま移動できるようになります。ベッドからダイレクトにトイレや洗面室などへ移動できれば、車いすへの移乗も必要ありません。

では、部屋の中央に介護リフトをどうやって設置すれば良いのでしょう。支柱を立てるという考えもありますが、目立って邪魔になってしまいます。そこで、思いきってベッドとトイレが並ぶような間取りにし、その境界に設けられた壁の内部に支柱を設けてリフトごと格納することになりました。間取りから考え直すという発想は、高齢者の住まいを開発から運営まで手がけているグッドタイム リビングならではといえるでしょう。さっそく、当時計画中だった「グッドタイム リビング センター南」の設計段階から介護リフトを収めるためのレイアウトを考えることになりました。

介護リフトを設置する位置は決まり、ベッドの枕元には、リフトのアームを収納するための棚を設けることに。多関節アームを採用することで、収納壁の厚みを抑え、狭い開口部でも移動が可能となりました。ただし、使用しないときにもアームがむき出しになっているのは、見栄え的に問題があります。睡眠時に気にされる方も多いでしょう。そこでアームを格納するためのシャッターを設置し、収納時には目に入らないようにしました。

こうして、新たな発想で考えられた壁収納型介護リフトは、無事に完成。介護のうれしさとよろこび、そしてこころも運ぶという思いを込めて「Swing Lift CoCoRo(スウィング リフト ココロ)」という名前が付けられ、2015年7月「グッドタイム リビング センター南」で初めて導入する運びとなりました。その後に開設した他のグッドタイム リビングでも、導入されています。

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壁収納型介護リフトによって、
居室内の移動をよりスムーズに、より安全に

壁収納型介護リフト「Swing Lift CoCoRo(スウィング リフト ココロ)」の導入によって、歩行が困難な高齢者の方にとって、部屋の中の移動時間が大幅に軽減されることになりました。床走行型介護リフトの場合、準備するだけでおよそ3分を要していましたが、壁収納型介護リフト「Swing Lift CoCoRo(スウィング リフト ココロ)」であれば、準備時間を1分に短縮することができました。

実際に壁収納型介護リフトを使用してゲストの移乗介助を行ったケアアテンダントからも好評で「抱きかかえての移乗をすると、ときおり『痛い』とおっしゃっていたゲストも、壁収納型介護リフトは笑顔で利用されています。移乗中もスタッフがそばに寄り添えるので、安心されているようにも見えますね」という声や「内出血や皮膚剥離の危険性がある方でも安全に移乗していただけるので良かった」といった声などが寄せられています。それまで移乗時に拘縮が目立っていたゲストにも効果的とのことでした。

「スタッフに重たい思いをさせていることが、ずっと気になっていた」とおっしゃるゲストからは、壁収納型介護リフトなら「気持ちがラク」という声も。トイレに行きたくても移乗介助を頼みづらかったというゲストも少なくなったようですが、そういった方々には、精神面で大きなメリットがあったようです。

こうして多くの効果をもたらした壁収納型介護リフト「Swing Lift CoCoRo(スウィング リフト ココロ)」は、今もなお、歩行が困難なゲストの皆さまの希望に応じてご利用いただいております。

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